「端」はどうなっているのか。
いろいろと考えるきっかけになったのがこれだ。

端というのはもちろん一般的な意味での端。
例えばハガキの端なら、ハガキの四辺が「端」になる。テーブルの端なら、その端からむこうに移動しようとすれば落ちてしまう、その端。
部屋のであれば、4枚の壁と天井と床が、部屋という空間の端を決定している。もちろん端から向こうへ移動することはできない(壁に、あるいは床に激突して終わりだ)

ロケットがある、とする。燃料は無尽蔵に積んであり、どこまででも果てしなく飛べるものとする。地球から打ち上げてひたすらまっすぐに飛んでいったら…と仮定すれば、そのロケットはどこに行くか。

宇宙の空間が部屋の中の空間のように上下左右に有限だ、とするなら、ロケットはそのうち見えない壁に当たって止まる。宇宙の空間は上下左右に無限に広い、と仮定すればロケットはどこまででも飛んでいく。

が、空間が無限に広い、というのはどうにも居心地の悪さを感じる。
(無限に広い、というのはなにかおかしい、とは思わないだろうか。自分はそう思う)
しかしながら、上下左右に有限である、としてもおかしい。上下左右に有限であるのならば、その端の向こうは?端の向こうにはなにがあって、端はなにで隔てられているのか。まさか宇宙空間全体が箱にはいっているわけでもあるまい。

そこで、有限ではあるが端はない、というものを考える。ちょうど球のようなものだ。
球面であれば、ある地点から出発して、一周する距離は有限だが、端というものはない。何周でも回ることができる。
宇宙空間もこれと同じように、地球から出発して、まっすぐにロケットが飛べば最終的には一周して地球に戻ってくる、一周の距離は有限だが、端というものはない。
左へずっと行くと右から出てくる。ちょうどパックマンかワープマンのアレだ。

そういう三次元の空間を考える。ドーナツのような形をしていて、ドーナツの中をずっと左に進んでいけば、最終的には元の場所に戻れる。左右に関してはこれでいい。だがドーナツの中を上に進んで行ったら、最終的にドーナツを食い破って外に出てしまう。左右にも上下にも有限の距離を持って繋がっている空間…それはどんな形なのか想像することもできない。